一番の脅威は無関心

 神戸港で5月に国内で初確認されたヒアリ。その後名古屋や大阪港でも発見され、女王アリまで見つかったと聞けば、近い将来日本に定着してしまうのだろうと嫌でも予想してしまう。ハチに似た毒性があり、場合によってはアナフィラキシーショックを引き起こし、最悪の場合死に至るケースもあるので、大きく報道されるのも分かる。人体だけでなく、昆虫や植物、生まれたての脊椎動物を襲うこともあるとされ、生態系への影響が大いに心配される。
 ヒアリは外国からの積み荷のコンテナなどから侵入してしまったが、いま国内では故意に持ち込まれた外来種が猛威を振るい、在来種を絶滅の危機に追い込んだり、生態系に大きな影響を及ぼしている。カミツキガメやワニのようなとがった口が特徴のアリゲーターガーなどの目撃例も増え、日本固有の動植物が捕食されるニュースに触れることも多くなった。駆除もされているが、繁殖のスピードに追い付くのは難しく、結局は固有種をできるだけ守りながら共存する方法を探っていくしかないのかもしれない。
 環境省などの資料によると、日本の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種は動物229種、植物200種もある。もはや在来種のように定着しているものもあるが、正直、日ごろから大きな関心を持っている人は少ない。気づいたときには手遅れということもあるだろう。最も恐ろしいのは無知、無関心である。
 そしていま一番の脅威は、ヒアリよりも緊迫する世界情勢である。もしものとき、自国をどう守るべきなのか、これは国民が関心を持って考え、議論しなければならない喫緊の課題だろう。    (片)

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