市民教養講座で大林素子さんが講演

 平成29年度第3回市民教養講座は1日、御坊市民文化会館大ホールで開講。スポーツキャスターで元バレーボール日本代表の大林素子さんが「マイ・ドリーム~夢をあきらめない~」をテーマに語った。子どもの頃は長身のためいじめられたが、バレーボールと出会い人生が変わったことをユーモアを交えて話し、満席の客席からは笑いと大きな拍手が起こっていた。
 講演が始まると、大林さんはすぐに客席へ降り、観客と背比べなどしながら184㌢の長身をアピール。「182㌢だったけど、ここ2年で2㌢伸びました。小6の時にもう170㌢あったんですよ」と観客を驚かせた。
 幼い頃から背の高さでいつも注目され傷ついていたという大林さんは、小学生の時に作文に「アイドルになりたい」と書いて4人組の男子に「なれるわけないだろ」などいじめられた。その中には好きだった子もおり、つらくてマンションの11階から飛び降りようとしたが、「このまま死んでしまうより、生きて見返してやろう」と決心。長身を生かすため中学校でバレー部に入った。だが練習は厳しく、1度休むと行きにくくなり「明日から行こう。いや来週から、来月から」とサボり続けた。新人大会に出してもらったが空振りの連続で、やっと拾ったボールはチームメイトの顔に激突する始末。フルセットで敗れ、顔を上げられずにいると監督が「何を下向いてる。負けて落ち込む権利があるのは頑張った者だけだ。おまえにはそんな資格もないぞ」。厳しい言葉にショックを受け、「こんな思いは二度としたくない」と奮起。休まず頑張るようになった。
 2年生になって転機が訪れた。自宅近くに日立バレー部の体育館があり、五輪日本代表のキャプテン江上由美選手のファンだった大林さんは、江上選手より監督の方が返事をくれそうだと山田重雄監督宛に「将来五輪に出たい」とファンレターを出すと「練習を見に来たら」と電話で誘われた。憧れの選手達と練習させてもらい、「本当に五輪に出たいなら見てあげるから明日から来なさい」と言われた。昼は部活、夜は日立で練習というハードな毎日になったが、一日も休まなかった。「1年の頃は楽な方を選んで努力を先送りしていましたが、考えを変えました。楽を先送りして、きょうは努力する。努力が当たり前になると、自然と技術も身についてきました」と振り返った。
 日立に入社し、五輪代表メンバーに選ばれた時、体育館に見覚えのある4人の男性がやってきた。小学校の時に大林さんをいじめた4人組で、色紙を出して「サインして」と頼まれた。「もう心の中でガッツポーズですよ。私のファンクラブの会員番号1番から4番まではその4人です」の言葉に客席からは拍手が起こり、大林さんは「コンプレックスを『人が持っていない、すごい武器』と考えられたら勝ちです。人生を変えることができます」と訴えた。
 現在はスポーツキャスターのほか女優として活動しており、今月末に和歌山市民会館で上演されるミュージカル「あしながおじさん」に出演することも紹介。「いつかはNHK大河ドラマに出演したい」と夢を語った。最後には質疑応答も行われ、観客と楽しく言葉を交わして幕を閉じた。

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