働く人のやる気アップ
- 2017/7/2
- 日高春秋
東京ディズニーランドでは、キャスト(準社員)を対象とした「サンクスデー」という年に一度のイベントが行われている。ネットなどで調べてみると、1992年、8周年の年に「準社員感謝デー」としてスタート。当時はトゥモローランドエリアのみで、ディスコショーや大抽選会を楽しむ企画だったが、いまは閉園後のパークを貸し切りにして、1万6000人ほどのキャストが参加。上司や社員約2000人がきちんとコスチュームを着て〝キャスト〟になって、キャストの接待役を務めるという。なぜ、このようなイベントをやっているのか。
上司らが日ごろの感謝の気持ちを形にして伝えるのが第一。参加したキャストにとってはお客さんとして園内を楽しむことで、あらためてお客さんの要望などに気づいたり相手の立場に立った接客を考えたりする機会になり、それに何か楽しみがあれば仕事を一生懸命頑張る糧にできる。働く人の満足度(ES)を上げることは仕事のモチベーションアップにつながる。逆に上司らがキャストを経験することで新たなサービス、効率のいい働き方のアイデアが浮かぶこともあるだろう。「口先だけの上司」でなく部下に現場で汗を流す姿を見せることはキャストのやる気アップへ効果があるように考えられる。
AI(人工知能)に支配される時代にならない限り、人が働くという形態は変わらない。その人に動いてもらうには何が必要なのか。報酬、コミュニケーション、賞賛、休暇などいくつかのポイントは挙げられるが、ディズニーランドのように立場を入れ替えて全従業員の一体感を養うイベントもいい方法。明るい職場づくりに参考になると思う。 (賀)