いかに矛盾をなくすか

 安倍首相(自民党総裁)が2020年の施行を目標に掲げる憲法改正について、同党が9条の改正等に向けた議論を本格的に開始した。年内には改正案をまとめ、来年の通常国会会期末の6月末ごろに国会発議、来年中にも国民投票を実施したいという。
 安倍首相は9条の1項(戦争放棄)と2項(戦力の不保持)をそのままに、新たに自衛隊の根拠規定を明記するという考えを示した。5年前に作成された党の改正草案は2項を改め、「国防軍」を保持するという内容だったが、改正案にはこだわらず、9条の平和主義の理念を堅持しつつ、自衛隊の合憲を目指す。
 第2次安倍内閣が誕生して4年半。両院で改正発議に必要な3分の2以上を維持しながら、安倍首相が目指す北朝鮮の日本人拉致問題解決、北方領土返還、憲法改正の3つのレガシーの中で最も実現可能性が高く、保守政権のトップとして改憲を目指すのは当然であろう。
 北朝鮮、中国の脅威が現実に突きつけられている。同盟国米国の大統領が国内で足が絡まっている状況下、日本の安全保障はまさに待ったなし。海外では明らかな軍隊と認識されながら、国内では軍ではなく、戦力でもなく、存在自体が違憲扱いされている自衛隊を合憲としなければ議論すらできない。
 そのうえで、安倍首相の目指す加憲という手法。自衛隊の存在根拠を追記したとしても、2項がそのままでは矛盾はなくならず、引き続き国会で神学論争が繰り返されることになりはしないか。
 野党第1党の代表は政権の粗探しに血道を上げ、中身の議論はなくひたすら反対、党としての対案をまとめることもできない。政治日程に余裕はない。自民党は本丸の改正にどこまで本気を貫けるか。(静)

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