比井の避難路 30年度の完成は困難

 巨大地震の津波避難路として期待される日高町比井漁港集落道の改良工事は、計画していた平成30年度末の完成がずれ込む見通しとなっていることが分かった。総事業費11億5500万円(漁港施設整備も含む)の一大事業だが、国の補助金が町の要望通りつかず、先細りしているのが要因。現時点で完成時期は少なくとも3、4年の遅れが必至だ。
 避難路は、比井小学校北100㍍の県道御坊由良線から通称・天神山の尾根沿いを通過し、比井漁港西の公衆トイレまで伸びる延長約1㌔、幅員5㍍。集落から避難路へ通じる2ルートも整備する予定で、延長はそれぞれ100㍍と250㍍。避難路沿いの海抜25㍍地点には面積1500平方㍍、海抜30㍍地点には1100平方㍍の避難広場も整備する。
 事業は25年度からスタート。事業費は初年度5250万円、26年度1億2000万
円、27年度1億円、28年度1億6500万円。国の補助金は各年度2分の1となっているが、国に要望していた金額に対して満額がついたのは初年度だけ。以後は補助額に合わせて(国の補助金が2分の1になるよう)、全体の予算規模を縮小せざるを得ない状況が続いている。特に本年度は当初3億円で工事を進める計画で、国に2分の1の1億5000万円の補助を要望。しかし、国の補助は6250万円しかつかず、要望に対する補助率は過去最低の41%。このため、本年度は全体で1億2500万円の事業規模にとどまった。完成までは残り約6億円の予算が必要と見込まれており、予算ペースから見て、計画通り30年度で完成させるのは困難。今後、年間2億円を投入しても3年かかり、1億円にとどまれば単純にあと6年かかる見通し。
 町担当課では「今回の漁港集落道整備事業は、一番の目的が漁港への運搬の利便性向上となっているため、漁港関連の補助金が適用されている。現在国は施設の長寿命化や国土強靭化に伴う防災に重点を置いており、新たな漁港関連施設など社会資本整備への補助が昨年から特に薄くなっているようだ」と説明。さらに「早期完成へ引き続き国に予算要望していくとともに、防災関連の事業に切り替えて補助を受けられないかどうかも検討していきたい」と話している。

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