何を変え、何を守るべきか

 ご自身でその意向を示唆された「お言葉」から約10カ月、天皇陛下の退位を実現する特例法が成立した。今後は来年末に皇位継承の儀式を行い、翌年元日からの改元が有力視されている。退位と即位の時代の流れを目に焼きつけ、あらためて、125代にわたり受け継がれてきた伝統の意味を考えたい。
 今上天皇は昭和天皇の崩御を受け、歴代2番目に高齢の55歳で即位された。以来、11月の真夜中に行われる新嘗祭などの宮中祭祀をはじめ、年間1000件以上の書類への署名・押印、外国の国王らとの面会、大規模災害被災地のお見舞いなど、驚くほどハードなスケジュールをこなされている。
 現在の皇太子さまは57歳。いまの流れでは、今上天皇より3歳高齢の58歳で即位となる。昨夏の今上天皇のお言葉は病や老いと向き合われたご自身の意向であると同時に、「なるべく早くに」という皇太子さまへの配慮も含まれているのでは。
 平成3年に起きた長崎・雲仙普賢岳の大火砕流では、避難所を訪問された際、ひざをついて被災者に声をかけられた。また、地方訪問では移動の車も座席が低いタイプを望まれ、昼食も知事らと一緒にとられるのが平成流。どれも国民と「同じ目線」を意識されての対応である。
 「過去の天皇が歩んでこられた道と、そしてまた、天皇は日本国、そして国民統合の象徴であるとの日本国憲法の規定に思いを致して、国民と苦楽を共にしながら、国民の幸せを願い、象徴とはどうあるべきか、その望ましい在り方を求め続けるということが大切」。
 この皇太子さまのお言葉に、歴代天皇陛下が受け継いでこられた国民を国の宝として愛されるお気持ちがあふれている。日本人は何を変え、何を守るべきか。  (静)

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