地域にやさしいこども食堂

 まだ食べられるのに捨てられる「食品ロス」は、日本で年間500万から900万㌧にもなるという。日本人は毎日、おにぎりを1~2個捨てている計算だ。もったいない話だが、食材を買って使わないまま賞味期限が切れて捨ててしまうことは誰しも経験があるだろう。豊かな日本、飽食の時代の負の象徴といえる。一方で、貧困率は上昇傾向にある。子どもの貧困率は16%以上ともいわれており、飽食と貧困という矛盾する二極化をどう解消するか、社会全体の大きな課題の一つである。
 解消策の一つが、こども食堂だ。「親が仕事のときは一人で晩ご飯を食べる」「弁当を買っている」という子どもはたくさんいる。子ども食堂は子どもたちに安心して気軽にご飯を食べに来てもらう場として全国的に広がっている。食材は地域や協力者から無償提供を受け、ボランティアのスタッフが運営するのが一般的。日高地方には御坊市に唯一、御坊こども食堂が昨年9月から開設され、いまでは一日に50人が利用するほど好評だが、食材、スタッフとも不足していることは既報の通り。その後、新しいスタッフが加わり、食器や食材の提供もあったと聞くとうれしくなる。それでもまだまだ足りているとはいえない。一人でも多くの協力をお願いしたい。
 子どもの居場所づくり、子育て世代の交流の場としてもこども食堂は貢献している。高齢社会、一人で食事しているお年寄りもたくさんいる。世代を超えた憩いの場、貧困や地域の希薄化を少しでも解消する場に発展していってほしいと勝手な願いもある。そんなこども食堂が広がれば、暮らしやすいまちにさらに一歩近づく。人に優しいまちは、地域の人がつくるのだ。   (片)

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