避難場所を憩の場に
- 2017/6/4
- フォトニュース
御坊市の南塩屋子どもクラブ(浜田利直代表)と尾の崎子どもクラブ(沖利彦代表)、南塩屋区(楠本文郎区長)は3日、同地内の観音山でベンチ作りを行った。同区の避難場所となっている山で、普段から気軽に訪れる場所にしようと製作し設置。10月には山桜の植樹も計画しており、住民や近くの熊野古道参拝者の憩いの場所を目指す。
観音山の標高は60㍍以上。南塩屋地区は東海・東南海・南海の3連動地震発生時、21分後に最大16㍍の津波の襲来が予想されており、山は320世帯1000人の避難場所となっている。山へは西から登るルートがあったが、昨年度市が北からも登り下りでき、避難物資が届けられる総合運動公園にもつながる全長150㍍、幅1・5㍍の避難道路を整備した。
地元区などでは放っておくと避難道が草や木で覆われてしまうとし、県の「紀の国森づくり基金活用事業」を使ってベンチの整備を計画。今後さらに避難道路周辺に山桜を植樹し桜の名所化、避難場所となっている58㍍地点などへの雨露をしのぐための整備も検討している。
この日は子どもたちが中心となって作業。ヒノキを使ったベンチで、子どもたちは大人から指導を受けながらインパクトドライバーを使ってネジを打ち込んでいった。合計15台作り、58㍍、55㍍、18㍍地点の3カ所に設置した。塩屋小3年の濵田陽菜さんと谷口友惟さんは「ベンチ作りは初めてだったけど、だんだん面白くなりました。観音山には避難訓練で来るくらいですが、またこのベンチに座りに来たいです」と笑顔を見せていた。