近畿圏で初 由良町でICTユニットの実証実験へ

 近畿総合通信局、由良町、NTT未来ねっと研究所は、6月4日午後1時から同町畑地内のゆらこども園で最新の通信装置「ICTユニット」を活用した災害時における情報伝達の実証実験を行う。被災地で迅速に通信ネットワークを構築できる持ち運び可能な装置で、電話での音声通話やメールが利用できるのかどうかを確認。自治体での本格的な実証実験は、近畿圏内で初の試みとなる。
 ICTは「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略。東日本大震災で地上回線の通信ネットワークが断絶され、応急復旧活動に重要な被災地の情報伝達ができなかったことなどを教訓に、総務省がNTTに委託してICTユニットを開発、平成26年11月から実用化。起動すれば、直径約100㍍の範囲内に無線LAN(Wi―Fi)の環境が整備され、スマートフォンやタブレットを活用した音声通話とデータ通信が可能。衛星回線との接続で遠隔地でも情報伝達ができる。ユニット本体やバッテリーなどの関連機器はトランクケースに収納され、重さ約8㌔。簡単に運ぶことができ、バッテリー2個の基本装備で連続16時間使用可。災害時には、自治体などからの要請に応じて貸し出す。
 由良町の役場庁舎は、海岸線に近い位置にあり、大津波で利用できず、災害対策本部を別の場所に設置しなければならない可能性が高い。その場合の対応も含めてあらためて確認しようと、今回、同町が実証実験の場に選ばれた。想定は町内で震度7の地震を観測。県沿岸に大津波警報が発令され、電話交換局、携帯電話基地局など通信設備に影響が出たとしている。これを受けて、内陸部にあるゆらこども園に災害対策本部を設置。ICTユニットを活用して、▽同本部と外部拠点との双方向の音声通話▽Wi―Fi通信による担当職員同士のスマートフォン通話▽ノートパソコンを使ったメール一斉送信▽被災現場画像の収集、共有▽専用アプリやタブレットを使った避難者の情報収集、安否確認――が可能かどうかをチェックする。近畿総合通信局では、有効な結果が得られた場合、管内の他の自治体に防災対策として情報提供していく。

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