旧県会議事堂が重要文化財に
- 2017/5/21
- 社会
国の文化審議会は19日の文化財分科会の審議・議決を受け、新たに全国で10件の建造物を重要文化財に指定するよう文部科学大臣に答申した。和歌山県内では、岩出市根来にある旧県会議事堂が指定され、これにより県内の重要文化財は国宝を含め82件となった。
旧県会議事堂は明治31年に建設された木造かわらぶき2階建てで、現存する明治期の木造和風意匠の県会議事堂としては唯一の遺構。明治から昭和まで県政の中枢施設として重要な役割を果たし、公会堂としては明治44年に夏目漱石の講演が行われた。
昭和13年に現在の県庁が完成後、和歌山市のJR和歌山駅前、岩出市の根来寺の境内への移築を経て、平成24~27年度に3度目の移築が行われ、県の文化財に指定されていた。
仁坂吉伸知事 明治時代に建てられた本議事堂は、民主主義の歴史を刻む県政の殿堂であるとともに、県民が集う公会堂としての役割も兼ね備えた政治・文化の拠点だった。この指定を機に、本県の近現代史を象徴する本議事堂の文化遺産としての歴史的価値が再認識され、県民のみならず国内、海外の多くの方に注目されることを期待する。