レジェンド衣笠を見習え

 筆者が小学生のころ、テレビでよく見ていたプロ野球の試合で印象に残るプレーやシーンはたくさんある。バース、掛布、岡田が3者連続でバックスクリーンへ放り込んだホームランはいまでもはっきり覚えている。阪神ファンの筆者ではあるが、幼心に最も胸に焼き付いている選手は、実は広島の衣笠祥雄さんである。とにかく休むことなく試合に出続けた鉄人として有名だが、個人的に衣笠さんといえばデッドボールというイメージが強い。思い浮かぶシーンはデッドボールを受けても投手に左手をそっと上げて「大丈夫やで」ということを静かな態度で示していた姿だ。一流中の一流、まさにレジェンドという言葉がふさわしい。
 衣笠さんの姿を思い出したのには理由がある。プロサッカーの試合でとんでもない問題行動があったからだ。J2の徳島ヴォルティスの選手が試合中、ボールがサイドラインを割ったとき、自分の思うようにボールを手渡されなかったことにいら立ったのか、ボールボーイの中学生にボールを突き返し、体をぶつける暴力行為をはたらいた。プロ選手として、いや大人として恥ずかしいことは本人も分かっていることだろう。
 プロスポーツという厳しい世界で、勝負への執念が強すぎてついやってしまったか。いやいや、どんな言い訳も通用するわけがなく、子どもたちの模範、憧れとなるべきプロ選手としてあまりにもふさわしくない行為といえる。スポーツの世界に限らない。社会人として、大人として、自分の考えがすべてだと思いあがっていないか。人の振り見て我が振り直せ、自分への戒めも込めて、衣笠さんのような一流の大人にならねば。 (片)

関連記事

フォトニュース

  1. 特殊詐欺に気をつけましょう!

戦争体験者に聞く 終わらざる夏

  1. 大阪空襲の直前に帰郷 印南町山口に生まれ、現在は美浜町吉原(新浜)に住む芝﨑シヅヱさん。父五郎右衛…
  2. 乳飲み子抱え上海から引き揚げ 御坊市島に暮らす98歳の嘉美(よしみ)さんは、1921年(大正1…
  3. 34年前、活字にならなかった一冊の本 活字の本として出版されることのなかった、一冊の戦争体験集…
  4. 船団護衛の海防艦で南方へ 1923年(大正12)8月19日、夏目英一さん(95)は日高郡旧野口…
  5. 千人針と250人分の寄せ書き発見 「あれ、これは何やろ」 1999年(平成11)8月、母の薫(か…

日高地方などのイベント情報

現在予定されているイベントはありません。

Twitter

書籍レビュー

  1.  「悪人」「怒り」等、多くの作品が映画化されている吉田修一。最新の映画化作品は藤原竜也、竹内涼真ら出…
  2.  週刊少年ジャンプに連載中の漫画「Dr.STONE(ドクターストーン)」を紹介します。  …
  3.  短歌をやっている母の本棚に20年ほど前からあった著者のサイン入り歌集ですが、今回初めて中身を読みま…
  4.  「バイバイ、ブラックバード」を読むと、原典に当たる太宰治の「グッド・バイ」が読みたくなったので、文…
  5.  作者の生まれは明治18年。明治45年に執筆され、初版は大正10年とかなり古いですが、繊細な描写が特…
ページ上部へ戻る