「新しい発見」考えよう

 3歳の長女が「お姫さまの電車(紀州鉄道)へ乗りたい」とせがむので、休日に出かけた。お姫さまとは宮子姫のことで、以前車体に描かれているのを見たところ大変気に入ってそう呼んでいる。アパートから散歩がてら歩いて御坊駅へ。ホームでかなりの待ち時間を覚悟していたが、結構、本数があり、すぐに乗ることができた。学門駅まで5分ほど。筆者自身も30年以上ぶりの体験だったが、前方の座席に座ると線路沿いの景色もよく見え、いつも車で走り回っているのと違う感じがして楽しめた。もちろん、娘も大喜び。念願のお姫さま電車へ乗ること、車窓の景色など「新しい発見」の連続に目を輝かせていた。
 先日、美浜町の三尾公民館で開かれた地方創生事業「日の岬・アメリカ村の再生」に伴う意見交換会に、日本のリノベーション(再生)の第一人者として知られる建築家・大島芳彦さん(47)が参加。その中で観光について触れ、「新しい発見をすることは、追体験や確認よりよっぽど楽しい」と持論を述べた。要するに、すでに知られた観光地などを巡っても写真などで見たままなら感動は生まれない、逆に残念に思うこともあるということ。10年前に世界三大がっかりスポットともいわれるデンマークの「人魚姫」を訪れた時をすぐに思い出し、発言の意味をよく理解できた。
 幼い子が「新発見」に胸をわくわくさせる感覚は、子どもほどでないにしろ大人にもあるのは間違いない。経験を積んだ大人の場合、その新発見が何かを他者が見つけるのは難しいのだが。観光振興を考える際、立派な施設を新たに造ろうと思う前に、子どもの頃に戻って自分の感動体験を思い出してみることも重要のようだ。 (賀)

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