アメリカ村の再生へ 美浜で建築家ら懇談

 美浜町の地方創生事業「日の岬・アメリカ村の再生」実施へ向けて6日、三尾公民館で日本のリノベーション(再生)の第一人者として知られる建築家・大島芳彦さん(47)=東京都=を迎えての意見交換会「これからのアメリカ村を考えようかい」が開かれた。大島さんは地域の歴史や自然を生かした、まちの再生策としてイタリア発の分散型ホテル「アルベルゴ・ディフーゾ」を提案。地区内外から集まった約60人の参加者も熱心に聴き入っていた。
 同事業では移住文化を象徴する民家や古民家、公民館を漁師レストラン、ゲストハウス(簡易な宿泊施設)、資料展示の場として整備するほか、中・高校生らをカナダに派遣、移民の歴史を学ぶ機会を提供していく。事業を進めるに当たって専門家を交えて地域住民と一緒に地域再生について考えようと、意見交換の場を設定。講師にNHKの番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」にも取り上げられ、日本のリノベーションの第一人者として知られる著名な建築家を招いた。
 大島さんは三尾の集落内や日の岬パークなどを視察したあと意見交換会に臨み、「山、農地、漁港の景色がそろう景色はなかなかない」「海が見えて、反対側には山が見える。コンパクトな箱庭のような楽しさがある」「急すぎない立体的な路地があり、建物と建物の間に魅力を感じた」などと地域の環境、自然を高く評価。特に「(築)100年を超える民家がこれだけ残っている。その景観に大きな価値を覚えた」と指摘し、「イタリアの田舎に、まちを再生する手段として『アルベルゴ ディフーゾ(分散した宿)』というものがある。まちの中の空き家で宿をやっている。観光地化されていないところなので素朴さがあり、一歩先をいくツーリズムの人たちにはかけがえのない体験になる。この方法は三尾でいけるのではないか」と空き家の活用を提案した。参加者からは「本当に三尾に魅力を感じたのだろうか」という意見もあったが、「ぶらっと歩くだけでも楽しい」と隠れた観光資源に太鼓判を押し、イタリア発の地域再生策をプッシュした。
 前半ではリノベーションとリフォームの違いなどを説明しながら、いまは「つくる」から「つかいこなす」時代になったとし、「『付加価値』はいらない。価値はすでにそこにある。潜在価値を見いだし、編集することが重要」とアドバイス。後半には美浜町について「松林、漁港、日の岬、それに山があって、こんな特徴的な自治体は珍しい」と感想を口にし、地方創生へ秘める可能性の大きさを伝えていた。

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