田辺で世界農業遺産フォーラム

 世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」フォーラム(みなべ・田辺地域世界農業遺産推進協議会主催)が20日に田辺市の県情報交流センター「Big・U」で開催。講演や発表で世界農業遺産「里山里海」(石川県)でのブドウ栽培の事例、和歌山信愛高校と神島高校の商品開発の取り組みなどが紹介された。約150人が来場し、今後の梅産業の発展について考えを深めた。
 講演では、平成24年に「能登の里山里海」で世界農業遺産登録された、石川県でブドウ栽培を行っている㈱Okuruskyの村山智一代表取締役社長が「能登の里山における醸造用ブドウ栽培とその可能性」のテーマで語った。約20㌶の畑でワインの原料を主として栽培しているほか、レーズンなどの加工品も手がけている。廃校となった小学校を利用して子どもたちにブドウづくり体験なども提供しており、「次世代の子どもたちに何かを残したいという気持ちで、特産品として売り出しているワインの原料づくりに取り組んでいる。子どもらに分かりやすく説明するため、ブドウ栽培にちなんだカードゲームを工夫して、興味を持ってもらうきっかけづくりにしている」など取り組みを紹介。世界遺産に認定されているワイン発祥の地のジョージア(グルジア)からブドウの苗を譲り受けるなど交流があることも話し、「世界農業遺産を機に世界へのPRを目指していきたい。今後は農業遺産つながりで、みなべ町や田辺市とも交流できればと思う」と述べた。
 和歌山信愛高校の8人は梅の商品化に取り組んだ成果を発表。「脂肪燃焼、疲労回復、ダイエットの効能をアピールする商品をつくることで女性の人気を集める」とし、「梅の成分をイクラのような形にする球体化に成功した。ジュースなどに入れて新しい商品にした」などと説明した。
 神島高校の橘愛実さん(2年)と原茉穂さん(2年)の2人は同校で特産の梅を使った商品開発などの取り組みを紹介し、「平成24年につくった『梅あられ』は年間1万5000パック、25年に開発した『梅やきとり』は3万本を販売している。梅やきとりに関しては『梅やきとりのたれ』もつくった。他に『紀州うめどり親子バーガー』は農林水産省主催の『絶品うまいもん甲子園』で全国優勝。みなべ町で開催されたUME―1グルメ甲子園では『和風うめぇクッパ』で優勝した。UME―1グルメでは高校生で組織する実行委員会がイベント内容を企画した」などと成果を話し、「開発した商品を通じて地域と関わっていきたい」と意欲的に述べた。
 国連大学サステイナビリティ高等研究所のイヴォーン・ユーさんは「みなべ町清川地区でのワークショップと今後の提言」と題して講演。清川地区で行ったアンケート調査の結果を説明し、「梅の消費低迷が言われているが、海外の市場は大きい。インバウンドに梅をどうやって好きになってもらうか、梅の味だけでなく地域の魅力をどう伝えていくかが大事。産地の思いを知ってもらうことが重要だ」と提案した。

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