自分にできる地域ボランティア
- 2017/3/22
- 日高春秋
御坊市議会議員の松本隆史さんが近畿大学大学院の社会人コースを卒業し、優れた修士論文が評価され、校友会会長賞を受賞した。論文の内容は、人と人のつながりが強い地域ほど防災力が高いことを、アンケートを基に数値で示した。難しい分析方法の説明は省略するとして、記事でも紹介したが要するに、行事や祭りなどに積極的に参加する人が多い地域ほど防災力も高いということ。以前から言われていたことだが、メカニズムを解明したことで、コミュニケーションの大切さを再認識させてもらった。
日高地方はほかの地域に比べて祭りが盛んで、地域のつながりも強いといっていい。地域コミュニティーが小さい田舎になればさらに傾向は強いだろう。それでも最近は、地域の催しなどへの参加率を上げるのに苦労している声もよく聞く。隣近所との付き合いが次第に薄れてきているのは現実で、田舎だから地域のつながりも深いという考え方が昔のようには通用しなくなっていることも頭に入れておく必要がある。
つながりの希薄化は防災だけでなく、高齢者、認知症、障害者、子どもらの見守り力や支援力の低下につながることは明らか。弱者といわれる方々の支えは「地域ぐるみ」が必要不可欠で、少子高齢化がますます進むこれからこそ、地域のつながりは必要になってくる。催しに参加を促すのも大事だが、一人一人が地域へのボランティアの意識をほんの少しでも高めることが重要。以前聞いた講演では、PTAの役員を引き受けるのも、近所のお年寄りの相談を聞くのも立派な地域ボランティアだといわれていた。できる範囲で地域の人と少しでもかかわる。地域のつながりは、会話から生まれる。(片)