美浜の介護老人保健施設が介護報酬不正請求

 介護報酬を不正に請求していたとして、県は16日、美浜町田井の医療法人はしもと(橋本修身理事長)が開設している介護老人保健施設プラトンに対し、4月1日から介護報酬を減額するなどの行政処分を決定したと発表した。橋本理事長は事実を認め、謝罪のうえ、事業は継続する方針だが、利用者家族や行政からは「現場のスタッフのやる気が失われ、サービスが低下しないか」などと不安の声も聞かれる。
 介護老人保健施設プラトンは現在、101床の定員に対して約80人が入所している。県長寿社会課の発表などによると、介護報酬の不正請求はプラトンの施設サービスが大きく、▽栄養士を配置していないのに配置しているとして報酬を請求していた▽介護福祉士の配置が不十分なのに十分だとして報酬を請求していた││などの事実が判明。短期入所療養介護や通所リハビリ、訪問リハビリなど通所・在宅型サービスでも不正・不当行為があり、プラトンでは入所者のベッドの四方を柵で囲むなどの人格尊重義務違反もあったという。
 県は内部告発を受けて調査に入り、27年5月から5年間さかのぼって実態を調査。県が算定した不正請求額は3億675万円に上り、プラトンに対しては4月1日から1年間、報酬請求の上限を5割、新規入所者の受け入れ停止を6カ月とし、その他のサービスも報酬請求の上限設定、新規利用者の受け入れ停止などの処分を決めた。不正請求分については、県や市町は返還を求めるが、大半は時効(2年間)が成立しているという。
 今回の処分決定を受けて橋本理事長は取材に対し、「施設に管理栄養士を配置していなかった点は、外部の食事の委託事業者に栄養士がいるため、施設に置く必要がなかったと勘違いしていた。介護職員が不十分だった点も、急に辞められ、すぐに補充できなかった期間の提出書類に不備があった」などと釈明。「いずれにしても、すべては私の不徳の致すところであり、利用者とご家族、職員、関係機関の皆さまにご迷惑、ご心配をおかけしたことを深くお詫びいたします」と謝罪した。
 事業は引き続き継続するが、利用者の家族や市町の関係職員からは「いま入所している人はもちろん、当地方の施設サービスとしてなくてはならない施設であり、報酬減という厳しい処分のなかで、どこまで現場の職員がモチベーションを維持できるのか心配」などという声が聞かれ、橋本理事長は「その点については私自身が身を削ってでも、職員の待遇面もサービスも低下することのないようにしたい」と話している。

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