美浜の御﨑神社 徳川治宝の扁額を修復

 美浜町和田、御﨑神社(大森伸也宮司)の礼拝所に掲げられている、紀州藩十代藩主・徳川治宝(とくがわ・はるとみ、1771~1853)から贈られたとされる扁額の修復が完了し、30日にお披露目された。1838年、治宝自筆の書「海幸舩守」を写して制作、文字通り海の通行の安全を願って同神社に設置されたと伝えられる貴重な文化財の一つ。制作以来初の修復といい、金箔の貼り直しなどで178年ぶりに完全によみがえった輝きに氏子らも喜んでいる。
 扁額(横長の額)は縦1㍍、横2㍍の大きさ。力強い「海幸舩守」の文字のほか、治宝の落款などもあり、縁まわりには徳川家の家紋「葵紋」が10、配されている。制作から170年以上が経過し、近年は金箔や漆が剥げるなど特に老朽化が目立ってきていたため、氏子の協力で費用をまかなってことし9月から修復に取りかかっていた。
 修復作業は福井県の金箔、漆職人らに依頼し、ことし9月にスタート。完成した額は文字と縁まわりの金箔が美しい輝きを放っている。30日には礼拝所上部に再び掲げられ、総代長の中西克治さんも「これで貴重な文化財をきちっと次の世代に引き継ぐことができます。氏子の皆さんにもぜひ、見に来てほしいと思います」と笑顔を見せていた。
 美浜町の歴史、文化について講演を行うなど町内の文化財にも詳しい御坊市文化財保護審議会委員の大谷春雄さんによると、治宝自筆の書の額は「特に自分が思い入れのある地に贈ったと思われる」と説明。日高地方では御﨑神社のほか、小竹八幡神社(御坊市薗)、誕生院(日高町志賀)にも贈られたという。御﨑神社の扁額については「日ノ御埼沖、紀伊水道を通る船の平穏を願って贈られたと考えられ、『美浜町の宝』といっていいほど貴重な文化財だと思います」と話している。

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