笑いの健康効果は落語で証明

 平成28年度第4回市民教養講座を取材。落語家の柳家花緑さんが「笑いと健康」をテーマに語った
 笑いと健康に関する情報を軽妙な話術で紹介。「人間には60兆の細胞があるといわれ、毎日8000個のがん細胞が生まれているが、1回バカ笑いすると2000個死滅させられる。一日4回バカ笑いすればきれいになくなる」「うつ傾向にあると笑うだけでなく泣くことも怒ることもできなくなるが、1度笑えれば泣きも怒りも復活する。オフの細胞がオンになるから」等々。興味深い情報に感心しながらも、自身の体験に基づいた話がもっと聞きたいと内心思っていた。しかし講演後の落語でそんなかすかな不満もきれいに消えてしまった
  演目の一つ「親子酒」は昔本で読んだが、そんな知識など吹き飛ばすほど実演は面白かった。酒好きな父と息子が商売にも差し支えるとそろって禁酒するが、ある夜、父は息子が得意先回りで遅くなるのを見越して飲み始め、完全に酔ってしまう。息子が帰ったときいて慌てて居住まいを正すが、当の息子は父に負けないくらいべろんべろんに酔っていた
 「お父さんただいま帰りました」と、ろれつの回らぬ口調で息子が部屋の中へ倒れこんでくるところは思い出してもおかしい。場内爆笑であった。短い話で本では強い印象はなかったが、演じるのを目の当たりにして噺の真価が分かった。人が演じて初めて命が吹き込まれるのが舞台作品。講演の中で、花緑さんが「肉体は動かした方が運気が回る」と話し、「運は動より生ず」という易経の言葉を紹介したのを思い出した
 このところ目を酷使することが多く軽い頭痛もあったが、笑ってすっきりするとそれも消えた。講演の趣旨を本業で証明してくれたようだ。(里)

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