タンザニアの留学生が梅システム学ぶ

 アフリカの若者のための産業人材育成事業、ABEイニシアティブで来日しているタンザニアの留学生3人が9日、みなべ町を訪れ、小谷芳正町長や原康雄県農林水産政策局長から世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」などについて講義を受けた。日本の大学で学び、企業で技術研修を受けるインターンシッププログラムの一環で、同日から14日まで和歌山県に滞在。母国の主産業である農業に関する関心も高く、梅の栽培方法など熱心に質問していた。
 ABEイニシアティブは、平成25年6月の第5回アフリカ開発会議(TICAD V)で安倍晋三首相が発表した官民一体となったアフリカ経済成長支援策。独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施機関となり、5年間で1000人のアフリカの若者に日本の大学や企業で学び、仕事を体験する機会を提供する取り組みで、今回はタンザニア共和国のキマリオさん(35)、ファウスティンさん(30)、ムエマさん(30)の3人が和歌山県を訪問している。
 初日の9日はみなべ町を訪問。役場で世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」に関する講義があり、小谷町長は梅には食中毒予防や疲労回復、糖尿病、高血圧、インフルエンザなどさまざまな健康効果を持つ成分が含まれ、近年はダイエット補助食品として人気が高まっていることも説明。「みなべ町は住民1人当たりの医療費が県内で最低、健康寿命は県内トップとなっているが、私はこれも日頃から住民が好んで梅を食べているおかげだと信じている。皆さんもぜひ梅製品を毎日食べて、健康で長生きしてください」などと歓迎の言葉を述べた。続いて県の原農林水産政策局長、町の田中一朗うめ課長が、みなべの梅栽培は里山の斜面を利用し、周辺に薪炭林を残すことで崩落防止等の機能を持たせていることや、ニホンミツバチによる受粉や長い梅栽培の中で遺伝子資源が培われ、薪炭林のウバメガシを活用した製炭技術などが育まれたことを説明した。
 3人は梅の木の寿命、病害虫に対する強さ、行政による病害虫対策支援システムの有無など積極的に質問。特産の紀州備長炭については「ウバメガシの木を伐採することに環境保護グループによる反対運動はないのか」という質問があり、田中課長が「木を切る生産者が少ないので、反対運動はない」と説明のうえ、原局長が補足として、「紀州備長炭は本来、すべての木を伐採する方が高品質の炭となる木が育つが、そうすると生産効率が落ちるため、一度にすべての木を切らず、環境にも生産効率もよい方法を採用している」などと付け加えた。

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