御坊市の魅力発信事業の一環で中町2丁目に12日、「寺内町会館」がオープンした。JA紀州の旧御坊支所の1階を改装し、展示スペースには四ツ太鼓や屋台など御坊祭の道具を並べているほか、御坊名誉市民第1号で昭和39年東京オリンピック誘致に尽力した故和田勇氏の資料館も設けている。年々増えている寺内町への観光客に、御坊の魅力をアピールする拠点として人気を呼びそうだ。
魅力発信事業は御坊市のまち・ひと・しごと総合戦略に盛り込まれており、御坊のよさを内外に発信する拠点を整備しようと本年度、市が御坊商工会議所に事業を委託。商議所では日高別院と小竹八幡神社を結ぶ中町2丁目の旧JA御坊支所を活用して展示スペースにしようと企画。JAの協力を得て1階約145平方㍍を改装して今回、寺内町会館として新たなスタートを切った。
展示スペース、事務室、和田勇資料館、トイレを整備。展示スペースには会館の地元である御坊町の四ツ太鼓、屋台、笠鉾、乗り子や鬼の衣装を並べている。いつ来ても御坊祭に触れられるようにしており、今後は他の組の協力を得て定期的に展示物を変えていくことにしている。和田勇資料館には、御坊ロータリークラブの協力で勲章や東京五輪の制服など和田氏の遺品がずらり。これまで和田氏の資料を公開する場はなく、今回は初の展示室となる。このほか御坊の観光パンフレットなども多数用意しており、観光客に気軽に立ち寄ってもらい、魅力をPRする場として活躍する。
オープニングセレモニーでは吉田擴御坊商議所会頭、柏木征夫市長、西本和明市議会議長、久保秀夫JA紀州組合長が玄関でテープカットした。吉田会頭は「御坊祭のパネルやDVDも観賞してもらえる。内外に御坊の魅力を伝え、地域活性化の一翼を担う施設にしていきたい」と決意新た。柏木市長は「普段見られないものが見られるのは意義深い。オープンを機にPRに努めたい」、西本議長も「御坊をもっと知ってもらえる場になる」と期待を込めた。
毎週火、木、土、日、祝日の午前10時から午後3時まで開館。ひとりが常駐し案内する。入館料は無料。来年3月末までは市の委託を受けて商議所が運営、4月以降は商議所が単独で運営する。