日高地方最大の秋祭り、御坊市の小竹八幡神社秋季祭礼「御坊祭」が4日宵宮、5日本祭りで行われた。5日は台風18号の接近で祭礼行事の中止が心配されていたが、一時的な雨はあったものの大きな影響はなく、宮入りでは若衆の熱気が最高潮。太鼓や笛の音色、若衆の力強い掛け声が響く中、四ツ太鼓を高々と持ち上げる「サイテクリョー」や幟差しでパワーを爆発させた。
台風の進路によっては宮入りなどを中止することも検討されていたが、幸い大きな影響はなく、台風をも吹き飛ばすかのような若衆の熱気にあふれ、「人を見たけりゃ御坊祭」にふさわしいにぎわいとなった。暴風警報の発令もあり、各組とも持ち時間を守り、予定時間内に終わるなど進行もスムーズだった。
本祭りは午前9時前にお渡りに出発。浜ノ瀬の御旅所で雀踊りを奉納した。宮入りは午後3時、中組からスタート。幟差しでは、各組とも力自慢が五反、三反幟を軽々と差し、5本の幟を息を合わせて左右にはいたり、円を描くような鮮やかな動きも披露され、観衆を魅了した。四ツ太鼓を担いだ若衆は「サイテクリョー」「ホーエンヤッ」などの勇ましい掛け声を響かせ、四ツ太鼓を激しく揺らしたり持ち上げるなどして熱気ムンムン。隈(くま)取りを施した乗り子たちも太鼓を打ち鳴らし、サイテクリョーでは背中を反らせて晴れ舞台を飾っていた。
境内では獅子舞が奉納され、笛や太鼓の音色に合わせた華麗で力強い舞いに見物人からは拍手や「ええぞ」などの声援も飛んでいた。夜になるにつれて見物人はますます増え、鳥居前は身動きが取れないほどの人だかり。幟や屋台が境内から出ると、「来年の~、来年の~、な~ごりな~ごり惜~しやな」と声を張り上げ、熱気に包まれていた。
4日の宵宮は好天に恵まれ、午後からの宮入り、夜は18㍍道路で若連行事が行われ、盛り上がっていた。
行司会の柚瀬清会長は「台風がそれてくれ、各組とも時間を守り、ゴミを拾うなど協力いただき、いい祭りができました」と喜んでいた。