年齢に捉われない自然体の挑戦

 先日、田辺市龍神村と高野町を結ぶ「高野龍神スカイラインウルトラマラソン」が初めて開催。50㌔60歳以上の部2位の井上誠さん(61)を取材した
 距離だけ考えてもすごいのに、ただの道路ではなく山である。登り坂が延々と続くのである。そんな大変な競技に61歳で挑み、部門2位、若者を含めたコース全体でも506人中38位。当然昔からずっと走っておられたのだろうと思ったが、「スポーツはまったくやっていなかった。部活などの経験もない」とあっさり言われた
 走り始めたのは5年前。自転車通勤から、ふと思いついて走っての通勤に変えたのだという。所要時間は20分ほど。自転車で鍛えられていたためかそれほどつらくはなく、マラソン大会に出てみると意外と上位に入れた。そこでウルトラマラソンに挑戦を決めた。山道を走って登る初めての経験はさすがにつらかった。しかし高度が増し、眼下に広がる絶景を見ながら走るのは格別の気分で、楽しくゴールを目指せた。5時間以上走り続けるのだから、実際は単純に「楽しい」とはいえないのではと思えるが、うれしそうな井上さんの笑顔を見ていると本当に楽しかったんだろうなという気がした
 「60歳を超えても、運動経験がなくても結果を出せることがあると知ってもらえたら」と井上さん。年齢や競技経験など条件で自分を縛ることはない。自然体で気の向くまま挑戦し、楽しめれば結果はついてくるのだろう。必ずしも数字に結びつかなくとも、心から楽しんだ経験がプラスにならないはずはない
 100歳以上人口も増えているが、年齢に捉われずマイペースで楽しむ姿勢がきっと健康寿命を延ばす。誕生日が近く、大台にのるのが少し憂鬱な筆者も見習いたいものだ。(里)

関連記事

フォトニュース

  1. 今年も咲きました!

戦争体験者に聞く 終わらざる夏

  1. 乳飲み子抱え上海から引き揚げ 御坊市島に暮らす98歳の嘉美(よしみ)さんは、1921年(大正1…
  2. 34年前、活字にならなかった一冊の本 活字の本として出版されることのなかった、一冊の戦争体験集…
  3. 船団護衛の海防艦で南方へ 1923年(大正12)8月19日、夏目英一さん(95)は日高郡旧野口…
  4. 千人針と250人分の寄せ書き発見 「あれ、これは何やろ」 1999年(平成11)8月、母の薫(か…
  5. 飛行兵志願も母が反対 小瀬輔造さん(89)は1930年(昭和5)1月7日、日高川町…

日高地方などのイベント情報

現在予定されているイベントはありません。

Twitter

書籍レビュー

  1.  「バイバイ、ブラックバード」を読むと、原典に当たる太宰治の「グッド・バイ」が読みたくなったので、文…
  2.  作者の生まれは明治18年。明治45年に執筆され、初版は大正10年とかなり古いですが、繊細な描写が特…
  3.  6月19日は桜桃忌。芥川龍之介の河童忌、司馬遼太郎の菜の花忌ほど有名ではありませんが、太宰治の命日…
  4.  銀行に7年間勤務した経験を持ち、「半沢直樹」「陸王」「ルーズヴェルト・ゲーム」など人気ドラマの原作…
  5.  幅が狭く、カーブが続き、前から車がくればすれ違うこともできず、一つ間違えば谷底に転落してしまう…。…
ページ上部へ戻る