記録に残らない好プレー

 マーリンズのイチロー外野手が、2季ぶりに失策を記録した。インディアンズ戦の6回2死一、三塁。右前打を素早く捕球し、三塁を狙った一走を刺そうと持ち前の強肩で矢のような送球を見せた。ワンバウンドしたボールは塁上から少し逸れ、三塁手も止められなかった。ボールがファウルゾーンを転がる間に一走が生還したため失策が記録された。現地の解説者は三塁のカバーに入らなかった投手に激怒。「これはホセ(投手)の責任です。言い訳できません。彼はずっとマウンドにとどまっていました」と指摘し、それまで395機会無失策の名手を擁護したとニュースになっていた。
 ちょうど同じころ、学童野球で完全試合達成の取材をした。この投手は8奪三振、無四死球の素晴らしい投球。守備ではライトとセンターの外野ゴロが2つあり、好守にも支えられた快挙だと感じた。
 野球は面白いスポーツで、「記録に残らない、目に見えない失策、またはファインプレー」が存在する。イチロー外野手の場合、投手が三塁のカバーに入っていれば失策、失点ともに防げた。完全試合では外野まで打球が達すれば安打が当たり前のところをアウトにしたことで大記録が生まれた。投手の怠慢、外野手の守備位置の的確さなどは記録に残らないが、いずれも失点、快挙にかかわる部分だ。
 チームワークで失策を消したり、安打をアウトに変えたりできるのが野球。9イニング、それを積み重ねていければ、飛び抜けた1人の選手よりも遥かに大きな戦力になるだろう。野球だけではない。普段の生活でも「目につかないファインプレー」は大切。一人一人の心がけで、家庭、学校、会社の雰囲気もよくできると思う。(賀)

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