最高の競技者になろう

 先日、小学生と保育園児の甥(おい)が遊びで卓球を始めた。2人とも得点すると相手に向かって「よっしゃー」と両手の拳を握る。相手を挑発、愚弄(ぐろう)するようなガッツポーズをどこで覚えたのだろうか。リオ五輪・卓球で全4種目を制覇した中国の選手は、見た限り相手に背を向けてから拳を握っていた。興行としてのプロスポーツならまだしも、過度のパフォーマンスは「子どものやることだから」の時期を過ぎたら注意しようと思う。
 第98回全国高校野球選手権大会で準優勝した南北海道の北海。彼らはガッツポーズや雄たけびをしないと話題になった。そつのない攻撃ではなく、ミスも少なくないなか、それでも負けない。常に冷静な精神状態を保ち、どんな試合展開になっても、試合をものにしていく強さがあると評されていた。三振も安打も一つのプレー。ピンチを抑えたときの投手や本塁打を放った打者の振る舞いに象徴されるように、気合のこもったガッツポーズや相手を威圧するような雄たけびをしない。1プレーに一喜一憂せず、勝利に喜び爆発。「野球は相手があって成立するスポーツ。相手を敬うことを大事にしたい」という主将の言葉が印象的だった。
 リオ五輪の全7階級でメダルを獲得した柔道男子日本代表。井上康生監督が帰国後の会見で、選手たちはウォーミングアップ会場の掃除をしたり、次の選手の試合応援に率先して参加し、試合以外でも成長が見られたと言い、「究極の目標にしている『最強かつ最高の選手』というものに一歩一歩近づいてきている」と語った。全てのガッツポーズを否定しないが、アスリートや日本人としての美徳を大切に、これからの選手には最高の競技者を目指してほしい。(笑)

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