若者の声が届きにくい

 国民投票の結果、欧州連合(EU)からの離脱が決まった英国。日本では新聞報道で、最も若い18~24歳の離脱支持は27%しかなく、65歳以上では60%に上った(英BBC電子版)と伝えられていた。これから国を担う若者の考えと逆の結果になったのは、なんとも皮肉だが、これも民主主義だから仕方がないか。
 昨年5月にあった大阪都構想の住民投票でも同じような現象が起きていたのを思い出す。マスコミの出口調査の数字だが、賛成率は20代、30代、40代が男女とも反対を大きく上回り、男女そろって反対が過半数だったのは70代以上だけだった。
 最近、「シルバー民主主義」という言葉が知られるようになった。少子高齢化で有権者に占めるシルバー(高齢者)の割合が高くなり、シルバーの政治への影響力が大きくなっている現象を表した言葉だ。年金や福祉施策ですでに世代間格差が指摘されている中だが、若者の意見がこれからもっと政治に反映されにくくなり、より一層世代間格差が拡大するのではと懸念されている。若者が投票に行かないのはもちろん問題だが、投票してもどうにもならないのでは政治不信が深まる恐れがあり、日本の将来にとって、いいことではない。
 「18歳選挙権」では、解決策にならないだろう。一部では「赤ちゃんも含めて子ども全員に1票を与え、保護者がその票を代わりに投票する」などで若者の発言権、参政権を強化してはどうかとの声も聞かれ始めている。「子どもに1票」は面白いアイデアだが、実現は無理っぽい。とにかく若者の声が政治に届く制度を考えなければ、いつか社会に大混乱を招きかねないと心配。海の向こうの遠い国の話ではないような気がする。(賀)

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