災害リスクにいますぐ対応

 政府の地震調査会は先日、今後30年間で震度6弱以上の地震の発生確率を示した「全国地震動予測地図」を公開した。前回の平成26年版と比べて南海トラフ地震などの影響を受ける東海から四国の太平洋側にかけて確率が上昇。日高地方の各市町でも2%程度高くなった。上昇した要因は太平洋側にプレートが沈み込むひずみが蓄積されたためだ。プレートの沈み込みが停止しない限り年々確率が高くなるが、予想外のことが発生している訳ではない。
 予想図をみると、発生確率が高い地域は関東から九州東部にかけての太平洋側だが、4月に発生した熊本地震、平成23年の東日本大震災、16年の新潟中越地震、7年の阪神淡路大震災などは発生確率が高い地域以外。言い換えれば発生確率が高い地域では大きな地震は起こっていないことになり、釈然としないものが残る。数値が高いから安全ということでなく、全国どこでも大地震が発生する可能性はあるということだろう。
 先月みなべ町で、東日本大震災時の「釜石の奇跡」を導いたとされる群馬大学院の片田敏孝教授を講師に招いた防災講演会が開かれた。片田教授は震災前から釜石市で防災教育に取り組み、その教育が大震災発生時に生かされたことで知られている。当時、中学校の生徒が率先して避難し、児童や園児の手を引きながら約1・7㌔先の高台に逃げて犠牲者を出すことがなかった。
 講演では「災害に対するリスクが言われても、それに対応しないことが問題。災害は時間の問題だけで絶対に来る」と述べ、「想定にとらわれず、最善の備えをすることが大切」と訴えた。今後30年間の確率を心配するより、いますぐにできる対応に取り組むべきだ。(雄)

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