筋肉の健康維持は適度に使うこと
- 2016/6/12
- 日高春秋
先日の「足育」セミナーで、現代人は足の指や足裏の筋肉を使わないことから退化し、偏平足が増えていると聴いたが、筋肉を使わないと如何に急速に退化するか目の当たりにしてしまった
◆83歳の母は脳梗塞の後遺症で左手足が動かず、外出には車椅子が必要。わずかな距離なら右手と右足と杖で歩けるし、立ち座りも自分でできるが、このところ膝や肩を捻挫し、デイサービスも休んでいた。座ったきりの生活が続いたので、ある日、外の空気を吸ってもらおうと車椅子でその辺を少し回ってから家に入った。車椅子から縁側に移り、足を投げ出してペタンと座った姿勢から、立ち上がって椅子へ座り直してもらおうとした。ところが、なんと足腰が立たなくなっていた
◆いつもは右手と右足と腰の筋肉を駆使して自力で立ち上がり、とりあえず椅子に腰掛ける。そして杖をつきベッドまで歩く。椅子に座れなければ移動もできず、ポータブルトイレも使えない。母は身長150㌢もないのに体重は約60㌔。弱った足の筋肉が体重を支えきれないようだ。両脇を抱え上げようと大分頑張ったが、大地に根を生やしたようで、非力な筆者の腕力ではビクともしない。こっちの両肩が抜けそうになる。1時間以上も試行錯誤を繰り返した挙句かかりつけの医師に電話で相談。日曜日だったがすぐに駆けつけ、抱え上げてくれて事なきを得た
◆その後デイサービスを再開、右半身で体操など行っているおかげか立ち座りは元通りできるようになった。休養は大事だが、使わず錆びつかせては元も子もない。適度に使うことが一番とあらためて実感。更に自分の体力のなさも実感し、それこそ鍛えなければいざという時何の役にも立たないと思い知った一日であった。 (里)