特定不妊治療費 由良町が全額助成へ

 由良町は6日、6月議会定例会(9日開会)に提出する一般会計補正予算案を発表した。ことし4月の町長選で当選した畑中雅央町長3期目最初の本予算編成で、2億9700万円を追加。雇用創出、観光振興、災害対応など各種施策の中で、妊娠・出産の支援では県内で初めて、「特定不妊治療費」の全額助成制度を盛り込んでおり、不妊に悩む夫婦に朗報となりそうだ。
 不妊治療は医療機関で体内受精を行う「一般不妊治療」と体外受精を行う「特定不妊治療」の2種類があり、特定不妊治療は保険の適用がないため医療費が高額となり、不妊に悩む新婚世帯などの大きな経済的負担となることから、近年、人口減の要因の一つにもなっている。県と国は特定不妊治療に対してこれまで各7万5000円の計15万円を助成していたが、新年度から特定不妊治療の初回に対して各15万円の計30万円を助成するよう引き上げ。2回目以降は県が17万5000円、国が7万5000円の計25万円を交付する。一般的に特定不妊治療は1回につき50万円程度の医療費がかかるとされており、県と国の助成額以外に由良町が初回は20万円、2回目以降が25万円を助成することで、実質的に個人負担がゼロとなる。
 今回、県と国の助成額引き上げに伴い、県内の自治体では、独自に助成制度の創設や引き上げを行っているが、自治体の助成額は最高でも美浜町などの10万円まで。由良町はこれまで助成がゼロだったが、最も手厚い支援策を実施する。予算は250万円で、新年度は10人程度の助成を見込んでいる。予算が議会で承認されれば、要項を作成して募集。対象は42歳まで。助成制度は次年度以降も継続する。
 同町では、すでに新年度当初予算で、一般不妊治療の助成を年間3万円から10万円(実質的に全額助成)に引き上げも行っている。このほか、補正予算ではこれまでゼロだった妊産婦医療費の全額助成費で122万円を計上。新婚世帯への支援策では、「あなたの新居すいせんプロジェクト」として200万円。町内に在住、移住する新婚世帯を対象に、賃貸住宅の家賃を月額最大で2万5000円補助。新年度は10組程度を見込んでいる。事業期間は5年間。結婚サポーター養成や出会いイベントなども企画していく。これらの施策は、いずれも総合戦略に基づく「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」という取り組みの一環で、人口減少対策につながると期待されている。
 補正予算では新規事業で▽海の日イベント開催(150万円)▽空き家等対策計画策定事業(300万円)▽わかやまシニアのちから活用推進事業(200万円)▽ヘリポート整備工事(4000万円)▽防災監視カメラ設置(350万円)▽防犯カメラ設置(105万円)――などもある。

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