美浜町の松原高台着工へ

 美浜町吉原、美浜松原郵便局東の松林で、松原地区高台津波避難場所整備工事がいよいよ着工する。本年度からの3カ年事業。盛り土で一時避難場所の高台を建設し、標高15・5㍍の頂上部分には2000人の地域住民が逃げ込めるほか、マンホールトイレ、生活必需品や防災資機材、非常食を保管する倉庫とコンテナハウス、万一の時にかまどとして使用できるベンチなども設置する。事業主体の町では「津波犠牲者ゼロへ大きな一歩」と話している。
 5年前の東日本大震災発生後、国と県が相次いで南海トラフ巨大地震等の津波浸水想定を公表。美浜町は沖合30㍍の地点で最大17㍍の津波が16分で到達するとの予測で、松原地区はほぼ全体が浸水エリアとされた。県は2年前、南海トラフ巨大地震の津波避難困難地区として吉原、浜ノ瀬、田井地区を避難ビルなどへの緊急避難を考慮しても逃げ切れない「避難困難地域」に指定。町担当課によると同地域には約2000人もの住民がおり、大津波が発生した際の避難困難地域解消へ大規模な高台整備に取りかかった。
 計画では総事業費約3億円を投じ、1年目に松の伐採、盛り土など、2、3年目に倉庫やベンチなどの設置、登り口や周囲のフェンスなどの整備を行う。国有地を無償で借り受ける計画地は約1万3000平方㍍の広さがあり、同地の最大津波高を11・37㍍として設計された高台部分は30×80㍍の長方形で、2400平方㍍を確保。マンホールトイレ20個、コンテナハウス3個、倉庫6個のほか、かまどベンチ、時計台、貯水槽(トイレ用)、緊急車両用駐車場も備える。登り口は美浜松原郵便局付近に2カ所、大川橋西詰め付近、西川沿い各1カ所に取り付け、本年度末には高台が姿を現すため万一の時には逃げ込めるようになるという。
 町では26年度に設計、27年度に保安林解除や国有地占有などの認可手続きを終わらせ、先月25日に盛り土などの工事を行う業者と仮契約を済ませた。今後は6月議会で工事請負契約の承認を得たあと着工となり、平成30年9月30日の完成へ事業を進めていく。盛り土などの施工は、和歌山市小松原通の㈱淺川組(栗生泰廣取締役社長)、設計は同じく和歌山市小松原通の玉野総合コンサルタント㈱和歌山営業所(市口敏孝所長)。
 松原高台整備について、森下誠史町長は「津波避難困難地域となる住民の皆さんの一時避難場所が確保できる意義は大きい。この高台は、東海から四国にかけての津波による被害が想定される地域の中では最大級となる。私の公約でもある『津波による犠牲者ゼロへ』を実現するための大きな一歩となるものと考えている」と話している。

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