梅物語のアピールを

 6月6日は「梅の日」。紀南地方の梅関係者で組織する紀州梅の会が平成18年に日本記念日協会に登録して定めた。ことしは制定からちょうど10年になり、梅の産地のみなべ町や田辺市など周辺では浸透し始めているのではないだろうか。当初は「バレンタインデーにチョコレートを食べるように、梅の日には梅干しを食べるようになれば」ということが狙いだった。そういう意味からすると全国的に普及させることが必要で、いまは道半ばといえるだろう。
 由来は、宮中の日記「御湯殿上日記」に、室町時代の1545年4月17日(現代の歴で6月6日)に京都賀茂神社の例祭で後奈良天皇が梅を奉納し祈願したところ、雷とともに雨が降り始めて五穀豊穣をもたらしたと記載されていること。人々はその恵みの雨を「梅雨」と呼び、梅は災いを除いて福を招くと贈り物(中元の起源)にするようになったという。他にも梅に関する言い伝えがある。特にことしの申年の梅は「縁起がいい」とされる。その由来は、平安時代に村上天皇が流行していた疫病にかかり、申年の梅干しと昆布を入れた茶で病を治したといういわれることにある。言い伝えだけでなく、「胃がんの原因になるピロリ菌の運動を抑制する」「血液をサラサラにする」などと医学的にも証明されている。
 情報の発信効果を高めるためには、人々に印象を与える物語性を持たせることが重要だといわれる。ただ単に「健康にいい」というだけでなく、こうした言い伝えなどに絡めて伝えることも1つの方法。梅にはおもしろい物語がそろっている。そういう意味で、「梅の日」が全国に浸透する日もそう遠い未来ではないのかもしれない。(雄)

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