心まで軽くなる「足育」
- 2016/6/3
- 日高春秋
徒歩で移動することはあまりなく、靴のこともろくに考えないような毎日だったが、先日「足育ことはじめ」を取材。目からうろこが落ちる思いをした
日本人と靴とのつきあいは欧米に比べごく短い。足のサイズを正しく測って自分に合った靴を持つのが当然という西洋とは違い、日本では靴に自分の足を合わせるのが当たり前である。多少合わない靴でも「はいていれば馴染んでくる」と、さほど気にしない。しかしこれが体には多大なストレスで、7割もの女性が足のトラブルに悩まされているという
セミナーでは、人間の足の構造から丁寧に解説。足の骨格は本来きれいなアーチ状で、何らかの原因で崩れたり変形したりすると体に変調を来たす。きつい靴で指が締め付けられて縮こまってもいろんなトラブルの原因になるし、大きすぎると脱げないよう変な力の入れ方をするため腰痛などの原因になる。自分に本当に合った靴をはけば歩く姿勢がよくなり、足が軽く、歩くことが苦にならなくなる。靴を正しくはいただけで体脂肪が減ったというデータもあった
「子どもの靴を選ぶ時は、中敷を出して足を乗せてみる」「子どもがよくやるペタンコ座り、いわゆるアヒル座りは成長に悪影響」「爪先トントンではなく、かかとトントンで爪先に余裕を」「かかとを上げるパンプスは正常な姿勢ではない。はくなら短時間に」…幾つものうろこが目から落ちた2時間。「歩くことが楽しくなると、楽しい時間が増えていく」。歩き方のワークショップでいわれた言葉が印象に残った
自分の足で移動することはすべての行動の基本。これが楽しければ確かに行動すること自体が楽しく、何事にもフットワークが軽くなるに違いない。心まで軽くなりそうだ。(里)