先月末から収穫が始まっている梅の主力品種、南高梅の序盤の出荷価格は、前年同期より1箱(10㌔)当たり500円程度の高値で推移している。JA紀州などの生産関係者らは、「縁起がいいと言われる申年の梅を前面にアピールしている効果が出ているのではないか」と分析。今後も値崩れせず、高値で推移することが期待される。
南高梅の出荷受け付けは先月25日から始まり、順調な滑り出し。主産地のみなべ町と印南産の価格でみると、前年同期よりも高値で取り引きされ、4Lサイズの秀品では1箱6480円(29日現在)で、前年同期の5940円と比べて500円ほど高い。
要因としては、「申年の梅」ということが影響しているとみられる。平安時代の村上天皇が流行していた疫病にかかり、申年の梅干しと昆布を入れた茶で病を治したといういわれと、「病が去る」「難が去る」という語呂合わせで縁起を担いでいる。先月6日に田辺市で開かれた生産者関係者と市場関係者の販売会議ではことしのテーマに「申年の梅を漬けよう」を掲げ、各団体がPR活動を展開。同JAの担当は「ことしは出荷量もまずまずで、品質もいい。このまま終盤まで、値崩れせずに高値を維持してくれれば」と期待していた。
収穫のピークは例年より若干早い10日前後になるのではないかとみられる。