自由律俳句の青い地球全国大会は岡山県倉敷市で開かれ、最高賞の青い地球賞にはまゆう吟社の岡一子さん(87)=御坊市塩屋町北塩屋=が選ばれた。自由律俳句を始めて40年余り、念願だった受賞に「うれしいです」と喜んでいる。
岡さんは昭和49年から「青い地球」誌に出句を始め、10年前に新風賞を受賞。今回は「握ったクレヨン」と題する20句で最高賞を受賞した。表題になった句は「七夕様願わくは握ったクレヨンが折れそうで」。岡さんは俳句のほか絵も趣味としており、水彩画や絵手紙、俳画を楽しんでいるが、年齢を重ねてだんだん思うように描けなくなり、七夕の夜、「もう少し長く絵を描かせてほしい」と星に願いをかける思いを詠んだ。クレヨンで描いているわけではないが、頼りない心をクレヨンで表現したという。そのほか、絵手紙の楽しみを詠んだ「掌から掌へ行く小さな絵から蝶飛んだ」、同時代や大きな歴史を見つめる視点で詠んだ「総理の一説聞いたか田の神舞い下り」「安保法案 杭打つ音のけたたまし」「砂に埋まる貝殻の咽び聞く原爆忌」などがある。
大会には体調が悪く出席できなかったが、はまゆう吟社の仲間がもらってきた賞状と祝福の花束を受け取り、「もう生きているうちにはもらえないのではないかと思っていたので、知らせを聞いてびっくりしました。とてもうれしいです」と笑顔で話している。