比井崎漁港がナマコの種苗生産開始

 日高町阿尾、比井崎漁業協同組合(初井富男代表理事組合長)が、日高地方で初めて、ナマコの種苗生産・放流事業に乗り出した。卵の採取からふ化、育成までを一貫して行う取り組みで、現在、ふ化に成功した20万匹の「幼生(稚魚のようなもの)」を特設の水槽で育成中。順調にいけばことし7月にも地元の海に放流できる見通しで、4、5年後に水揚げできるサイズにまで成長するという。
 ナマコは、ウニやヒトデと同じ棘皮(きょくひ)動物の一種。中国や国内でも乾燥ナマコは「海の黒いダイヤ」と呼ばれ高級食材として珍重されており、コラーゲンやビタミン、カルシウムなどの栄養素が豊富なことから別名「海の朝鮮人参」ともいわれている。日本ではナマコ酢にして食べることが多い。これまで和歌山県内での種苗生産は加太漁協などで行われているが、御坊・日高にはなかった。
 比井崎漁協では、ナマコを町の新名物にしようというところまでは考えていないが、以前から地元で一部漁業者が水揚げをしていることから、「少しでも収入の安定につながれば」と事業をスタート。町と県から新年度予算で補助金を受けて、漁協施設内に特設の水槽や空気を送る装置、海水をろ過するフィルターなどの設備を購入した。その後、和歌山県水産試験場の指導の下、地元でとったナマコを使って、ホルモン注射で卵と精子を取り出して受精。10日現在、すでにふ化して水槽で育っているが、幼生と呼ばれる状態で、顕微鏡を使わなければ確認できない大きさ。液状のエサを与えて、2日に1度海水を入れ替えており、今後顕微鏡で大きさを確認しながらある程度大きくなれば固形のエサに変えていく。体長が1~2㌢に育てば放流し、4、5年後には「成体」と呼ばれ、水揚げに適した体長15㌢、重さ300㌘に育つ。漁協は「いま20万匹あるが、育成不良などで死ぬため、成功しても放流できるのは5000匹程度にまで減少すると聞いている。来年以降も継続して取り組んでいきたい」と話している。

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