羽毛布団の産地偽装
- 2016/5/10
- 日高春秋
「実際とは異なる産地が表示された羽毛布団が多数市場に出回っている疑いが出ている」というニュースが報じられた。フランス産については「半分以上が偽装と思われる」などとなっており、低価格の中国産を混入させ水増ししている可能性があるという。
筆者も少し前に羽毛布団を購入したが、数万円と高価なのでいろいろ勉強した。まず羽毛(ダウン)とは水鳥の胸に生えているもので、保温性、吸湿性、湿度の発散性に優れ、綿毛のように軽いのが特徴。羽毛布団の中には羽毛とは別に羽根(フェザー)が含まれており、一般的に羽毛の割合が多い方がいいとされている。また水鳥の中にもグースとダックの2種類があり、保温力などでグースの方が勝っているとされており、さらにグースのなかでも親鳥マザーグースが優れているとされている。色もホワイトとシルバーがあり、ホワイトの方が高価。そして産地については、極寒地であるほど鳥が生き抜くために保温力の高い羽毛になっているとして、ポーランドやハンガリーが有名だ。このほか羽毛の品質を評価するダウンパワーの数値や、羽毛の量、布団生地など選ぶ際の基準はたくさんある。
高価な買い物だけに自身で調べ最良のものを選ぶ人もいるだろうが、産地を偽装されていればそれらの労力も無駄に終わってしまう。今回の一件で産地の適正化に期待したいが、一般消費者には違いが分かりにくい商品だけに、確認が難しい。インターネットのショッピングサイトには、格安のヨーロッパ産がたくさん表示される。この中にどれくらいの偽装商品が含まれているのかわからないが、安心を得るためには身近で信頼できる店舗を探すことも大事だろう。(城)