「学び」の始まりを考える

 4月、学校では新学年が始まり、大人を対象とした各種教室なども募集を開始。「学び」を始めるには格好の季節だ。「読むだけで世界史がすっきりわかる」という本を購入したが、すっきりとはわからず困っている
 勉強の形はさまざまである。書道や華道などを学ぶことに憧れはあるが、時間や気持ちに余裕がないとなかなか学びの道に入れない。取材でなく何かを受講した経験といえば、全4回の短期韓国語講座、全2回のステンドグラス教室、エアロビクスの体験教室ぐらい。全4回で韓国語を習得するのは無理だったが、「もしもし」は「ヨボセヨ」、「おいしい」は「マシッソヨ」など簡単な言葉は覚えているし、ハングル文字について「ローマ字と同じく、子音と母音の組み合わせで一つの文字になる」と学んだのは収穫だった。ステンドグラス教室では万華鏡を作製。出来栄えはともかく世界唯一の品と思うと至極満足で、今も部屋に飾っている
 その後、通信講座でボールペン字なども学んだが、受講期間が終わると元の木阿弥であった。筆者の資質の問題だろうが、師の言葉を直接聞き、所作を直接見ながら学ぶのとは根本的な部分で何かが違う。いろんな取材で聞いた数々の言葉の方が、後々まで残る多くのことを教えてくれた
 
 「宮本武蔵」等で知られる吉川英治氏に「我以外皆我師」の言葉がある。家の事情で小学校を中退、さまざまな職を転々としながら独学した末に国民的作家となり、文化勲章を受けた吉川氏の人生観がそのまま表れている言葉として、重みを感じる
 幾つになっても、どんな形でも学べるのは心楽しいものだ。この年になると書物からの学びが中心になるが、人と接することは広い意味での学びの始まりかもしれない。(里)

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