和歌山を代表する特用林産物「紀州備長炭」の製法継承へ、高度な技術を持つ生産者の中から認定される「紀州備長炭指導製炭士」について28日、県は新たに3人を認定。日高地方からは、日高川町紀州備長炭保存会会長の足川修さん(56)=同町山野=が選ばれた。
紀州備長炭は世界に誇る硬質白炭。県はその伝統的製法を継承し、「択伐」施業による循環型原木林の復活を促進するため、製炭業務を20年以上続け、後継者育成に積極的で熱意のある人の中から指導製炭士を認定(現在は8人)している。主な活動は地域の新人ら後継者の育成、紀州備長炭の選別・格付けの指導、伝統製法の技術指導や備長窯の構築技術の指導など。
足川さんは製炭の仕事を始めて23年。地域の若手製炭者の技術指導に努め、これまでに3人の直属の弟子をとって育成しており、現在、県木炭協同組合の副理事長も務めている。
認定されるのは足川さんのほか、田辺市木炭生産者組合組合長の北山増男さん(63)=田辺市秋津川=、東牟婁木炭生産者組合理事の阪本啓美さん(59)=那智勝浦町湯川=。28日午後1時半から県庁知事室で認定証が交付される。