和歌山病院の新病棟が完成

 美浜町和田、独立行政法人国立病院機構和歌山病院(南方良章院長)の一般病棟・重症心身障害児(者)病棟建て替え工事が23日、完成した。外来診療・管理棟南隣に建設した新しい建物は、大地震発生時の津波想定深より高い5㍍以上に病室を設置。5階部分には地域住民約1600人分の避難場所も確保され、災害にも強い施設となっている。28日午後2時から新施設で竣工記念式典が行われ、4月10日から供用が開始される。
 和歌山病院の病棟建て替えは施設の老朽化に伴い、外来診療・管理棟南隣の古い病棟を取り壊した跡地などに、3階建ての一般病棟(150床)と平屋建ての重心病棟(120床)を新たに建設する計画でスタート。平成22年3月の設計監理業務委託のあと、基本設計、実施設計の本部承認などを経て24年夏に着工、25年夏には完成の予定だったが、東日本大震災後の国と県による新しい南海トラフ巨大地震の被害想定発表を受け、抜本的な計画見直しが必要となった。
 25年3月に発表された県の南海トラフ巨大地震津波被害想定による病院敷地の最大浸水深は、従来の内閣府発表の2㍍から5㍍となり、災害時に患者が避難することを前提に平屋建てが原則だった重心病棟も高層化しなければならなくなった。別の場所への移転も含めて検討した結果、新病棟は1階部分をピロティ(津波が抜ける空間)とし、5㍍以上の2階から病室などを設置する5階建てに計画を変更。26年8月に建設工事の起工式を行った。
 新病棟は、総事業費約38億3000万円。鉄筋コンクリート造り5階建て、延べ床面積約1万4000平方㍍で、1階はピロティ以外に売店、多目的室などとなっている。2階から4階までの病室は一般病床150(結核病床15含む)、重心病床160の計310床。5階は重心患者の療育訓練室のほか、地域住民らの避難場所を確保している。屋上には災害時用非常電源、高架水槽などもあり、新病棟の供用開始後、同施設の東側には7月20日の完成を目指してヘリポートが整備される。契約業者は設計監理が梓設計(本社・東京都)、建築工事が㈱イチケン(同)、電気設備が㈱九電工(本社・福岡県)、機械設備が東洋熱工業㈱(本社・東京都)。
 竣工記念式典には医療関係者ら約100人が出席し、工事の無事完成を祝う。同病院では「当院は、基本理念の通り地域と密着した、安心、信頼される病院を目指しております。巨大地震に伴う津波が発生した場合、御坊市域一帯がほとんど水没するという県の見解が示されており、周辺に高層建物のないこの地域おいて、津波による浸水にも避難することなく病棟内で療養が可能な、災害時でも継続して診療ができる病棟を整備しています」と話している。

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