幸村に学ぶリーダーの資質

 先日、日高町商工会主催のセミナー「真田幸村から学ぶリーダーの資質と人間形成」を取材した。講師は㈱パスエイド代表取締役、佐藤敏彦氏。NHK大河ドラマ「真田丸」をほぼ毎週見ていることもあり、興味深く聴講した
面白かったのは、人質時代に培った「逆転の発想」。家から家へ人質として送られるという境遇を「たらい回し」とマイナスには捉えず、行き先で接する人々から優れた点を吸収した。それを教えたのが上杉家家老、直江兼続。徳川家康に叩きつけた「直江状」で知られ、大河ドラマ「天地人」の主役にもなった人物。上杉景勝に心から仕える彼の姿勢から「決して大将を超えてはいけない」という参謀としての在り方を学んだ。これが後年、豊臣秀頼への忠義につながったとも考えられる
秀吉の人質時代には、郷里の尾張中村の農民を歓待し、持ってきてくれた大量のゴボウを喜んで食べる姿から故郷を大事にする姿勢と「初心忘るべからず」の心を学んだ。伊達政宗からは「ここぞという時には死をも覚悟せねばならないが、それには格好良さが必要」という、武将としての美学を学んだという
佐藤氏が挙げた、幸村から学ぶリーダーとして必要な10項目は①ビジョン②情熱③決断力④誠実⑤適応力⑥自己肯定感⑦謙虚さとプロ意識のバランス⑧共感⑨強靭な精神力⑩軸。覚えるのはちょっと大変だが、このほかに親子・兄弟・郷土との「絆」、いい意味での「他力本願」(やるべきことをやった上で天に任せる)も挙げられる
組織リーダーでなくとも、誰もが自分自身の生のリーダーであるといえる。ビジョンと情熱を抱いて生きていくことを考えると心が大きくなる気がする。三谷幸喜ワールド全開の「真田丸」も、一層面白くみられそうだ。(里)

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