統計局移転 仁坂知事が意見交換でメリット主張

 政府関係機関の地方移転に関して27日、総務省統計局と独立行政法人統計センターの和歌山市への移転を提案している和歌山県と同省との意見交換が行われた。仁坂吉伸知事は情報セキュリティや防災システム、データサイエンティスト(データ分析のスペシャリスト)育成の面などから環境のよさを強調し、「和歌山に移転しても機能が損なわれることはなく、国益を損なうことはない」と訴えた。
 東京一極集中の是正へ、国が政府関係機関の移転先を募集し、和歌山県は昨夏、総務省の統計局、独立行政法人統計センター、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の3機関の受け入れを提案。現時点でNEDOの話はなくなっており、統計の2機関の移転先はいずれも和歌山市内を想定している。
 意見交換は東京で非公開で行われ、和歌山県からは仁坂知事と山本等士企画政策局長、尾花正啓和歌山市長が参加した。仁坂知事は、和歌山は国内外の情報危機管理の専門家が参加するサイバー犯罪シンポジウムが定期的に開かれ、県が気象庁や海洋研究開発機構と連携して独自の気象・災害予測システムを開発するなど、情報分野の取り組みが最先端であることを説明。移転が実現すれば関西圏で産学を巻き込んだ統計学に対する意識変革が起こり、統計学とデータ分析に高度なスキルを身につけたデータサイエンティストの育成が進むとし、さらに和歌山市内の交通アクセスの利便性の高さ、東京よりも暮らしやすい点を強調、ほとんどの問題点はクリアできると訴えた。
 統計局側は、統計業務の迅速性、正確性が失われるなどの懸念があるとし、大臣や官邸への報告、国会対応などにも支障が出ると主張。高市早苗総務大臣も自身との協議や官邸対応への懸念を示しているが、今回、県側は過去3年間、統計局が国会本会議で答弁しておらず、委員会での答弁も12回と少ないことを指摘し、「官邸との政治的やりとりや国会で議論される事案は他省庁と比べて非常に少ない。和歌山に移転してもこれまで通り十分に立派な仕事をしていただける」と述べた。
 有識者からは、和歌山県に対して統計人材の確保、和歌山県と関西圏の統計業務への取り組み状況について質問があり、統計局にはテレビ会議等を活用した場合の移転可能性を検討するよう意見が出された。
 今回は実質、初めての両者の話し合いで、互いに意見を出すだけの場となったが、統計局側は慎重な構え。この件について、自民党総務会長の二階俊博氏、内閣官房副長官の世耕弘成氏、民主党の岸本周平氏ら県選出国会議員6人は全員が「必ず実現させよう」と意見が一致。
 政府は今後、有識者会議の議論を経て、3月末までに政府関係機関移転の基本方針を決定する見通しとなっている。

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