情報の質を向上させるアナログ

 みなべ町の上南部中学校の生徒たちが、正月三が日に校区内のお年寄りに手づくりのジャンボ年賀状を届けた。その返事のはがきが続々と同校に寄せられた。
 11年前から続けている取り組み。年末に80歳以上の高齢者に手づくりの年賀状を作製し、新年のあいさつのほか、クラブ活動や受験勉強など学校の生活の近況も添えて送った。正月三が日の間に手渡しなどで届けたところ、約70通の返信があったという。お年寄りからは「勉強頑張って下さい」などと温かい励ましの言葉ばかり。生徒会長の栗原怜央君は「心を込めて届けた。送られてきたはがきには、励ましや応援の言葉がいっぱいでとてもうれしい」と話した。手づくりの年賀状の温かさが、地域のお年寄りと子どもたちの心をつなぐ媒体となっているのだろう。
 年賀はがきは日本独特の文化らしいが、最近では自筆の文面は少なくなった。ほとんどがプリントだ。しかし、字の上手下手に関わらず、自筆の方が温かみが感じられるのは確かだ。印刷でも一言のメッセージがあるだけで読み手にとってはうれしいもの。
 近年はデジタル化が進み、情報伝達ではメールやSNSが普及した。気軽に携帯電話などでやりとりできるようになった半面、相手の表情や声のトーンなどが分からずに情報は正確に伝わりにくいというデメリットもある。
 50歳近くなると、普段は会えない友人からの年賀状も増える。連絡はというと年に一度の年賀状だけ。そこに手書きで「元気でやってます」などと記載されていると、昔の思い出が頭に浮かんでくる。書かれている内容以上に相手に想像を膨らませ、情報の質を向上させるアナログもいい。(雄)

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