小さな親切心が友好の源

 日本とトルコの友好125周年を記念して昨年12月から上映されている映画「海難1890」が好評という。1890年、和歌山県串本沖で発生したトルコ軍艦のエルトゥールル号遭難事故。串本町大島の住民が総出で救助と生存者の介抱にあたったことは多くの人がご存じだろう。95年後の1985年、イラン・イラク戦争で今度はトルコが、イランに取り残されていた日本人200人を救ったのも串本での友情があったから。同じ日本人、和歌山県人として誇りであり、人のために全力を尽くす、古き良き日本人の気質であろう。
 外国、とりわけ親日といわれる台湾にも日本人をたたえる逸話がたくさんあり、その中でも戦前、不毛地帯を大水田地帯に変えた八田與一という技師は現地では超有名人という。恥ずかしながら、半年ほど前に御坊日台友好協会の古山隆生代表に教えてもらうまで名前も聞いたことがなかった。台南市の烏山頭ダム建設の指揮を取り、万里の長城より長いといわれる水路を整備した功績は、現地の小学校の教科書に掲載され、銅像も建立されているほど。やはり同じ日本人として誇りであり、話を聞いてエルトゥールル号のことが頭に浮かんだ。直接の人命救助ではないが、現地住民の生活を守った恩人であることに違いない。
 日本を訪れる外国人は近年急増している。関空行きの電車に乗ったつもりが和歌山へ行ってしまう外国人のためにボランティアで乗り換え案内している男性がいるとテレビで取り上げられていた。純粋な親切心はまだまだ日本人の心に通っている。もてなしの心は日本と外国の友好を結ぶきっかけになる。教科書に載らなくても、日本人として小さな親切心は持ち続けたい。 (片)

関連記事

フォトニュース

  1. なかなか前に進まへん…

写真集

戦争体験者に聞く 終わらざる夏

  1. 乳飲み子抱え上海から引き揚げ 御坊市島に暮らす98歳の嘉美(よしみ)さんは、1921年(大正1…
  2. 34年前、活字にならなかった一冊の本 活字の本として出版されることのなかった、一冊の戦争体験集…
  3. 船団護衛の海防艦で南方へ 1923年(大正12)8月19日、夏目英一さん(95)は日高郡旧野口…
  4. 千人針と250人分の寄せ書き発見 「あれ、これは何やろ」 1999年(平成11)8月、母の薫(か…
  5. 飛行兵志願も母が反対 小瀬輔造さん(89)は1930年(昭和5)1月7日、日高川町…

日高地方などのイベント情報

  1. いなみまめダムマラソン

    11月 3 @ 8:00 AM

Twitter

書籍レビュー

  1.  「バイバイ、ブラックバード」を読むと、原典に当たる太宰治の「グッド・バイ」が読みたくなったので、文…
  2.  作者の生まれは明治18年。明治45年に執筆され、初版は大正10年とかなり古いですが、繊細な描写が特…
  3.  6月19日は桜桃忌。芥川龍之介の河童忌、司馬遼太郎の菜の花忌ほど有名ではありませんが、太宰治の命日…
  4.  銀行に7年間勤務した経験を持ち、「半沢直樹」「陸王」「ルーズヴェルト・ゲーム」など人気ドラマの原作…
  5.  幅が狭く、カーブが続き、前から車がくればすれ違うこともできず、一つ間違えば谷底に転落してしまう…。…
ページ上部へ戻る