「何を伝えたいか」を発信

 芸能人からマスコミに対して不信感を持っているという発言を聞く。なぜ不信感かというと、テレビやラジオで発言したとき、その一部分を切り取られ、報道されるからだという。言葉の一部を取り上げられ、意図することと違う内容で多くの人に伝えられるのが納得いかない様子。記事などにする際、記者らからは取材がない場合も多く、きちんと本人に確認したうえで報道してもらいたいと言っている。
 携帯やスマホで「言った」「言わない」は証拠として簡単に残せる時代。発言した言葉自体に間違いはないのだろうが、それだけを発信するだけで報道といえるのかというと疑問が残る。よくニュースをにぎわす「問題発言」についても、聴き方を変えたり本人の詳しい説明を聴いたりすれば大した問題でないと感じることも多い。
 政治家がよく使う「検討」。「物事をいろいろな面からよく調べ、それでいいのかどうか考えること」という意味だが、「検討」にもいろいろな「含み」がある。「一応、考えるだけ考えてみます」と「後ろ向き」のケースがあれば、逆に「絶対にやりたいことなので、なんとかいい方法を考えていきたい」と本当に実現へ向けて「検討」する前向きなケースもある。言葉を切り取って「こう発言しました」とだけ記事にしても、両者どちらの意味なのかを伝えることはできない。取材を通じて発信された検討の意味に迫り、それを伝えてこそ報道だと思う。
 新聞のいいところの一つには中立な第三者(記者)が物事を偏らずに報道することにあると思う。「何を言ったか」よりも「何を伝えたいか」をきちんと取材し、発信しなければならないとあらためて感じさせられる。 (賀)

関連記事

フォトニュース

  1. がんばりまっしょい!

戦争体験者に聞く 終わらざる夏

  1. 出撃直前、さくら弾機が炎上 極秘扱いで「知られざる特攻機」とも呼ばれたさくら弾機は、直径1・6㍍、…
  2. 飛行機乗りが夢だった 1944年(昭和19)6月、日本はマリアナ沖海戦に敗れてサイパンが陥落し、絶…
  3. 激戦のフィリピンで6年 日米開戦直後の1941年(昭和16)12月22日、日本は米軍の支配下にあっ…
  4. 空襲に怯え、悲痛な思い 大戦末期、空襲に怯え、悲痛な思いをした御坊市島の竹田(旧姓=山﨑)玉枝さん…
  5. 根室空襲、艦載機が猛爆 大東亜戦争末期、制海権を失った日本は北海道まで米軍に押し込まれ、1945年…

日高地方などのイベント情報

現在予定されているイベントはありません。

Twitter

書籍レビュー

  1.  元アニメーターで江戸川乱歩賞作家、真保裕一の「行こう!」シリーズ最新作。今年5月に文庫化されました…
  2.  今回紹介するのは2005年に発行された推理小説家石持浅海の「君の望む死に方」。前作の「扉は閉ざされ…
  3.  映画「ソワレ」が御坊でも好評上映中ですが、タイトルは「夜会」を意味する言葉。そんなタイトルの司馬遼…
  4.  主演ドラマ「半沢直樹」の新シリーズが大ブレイク中の俳優、堺雅人。テレビ雑誌で連載したエッセイ集をご…
  5.  霊感はさほど強くないはずだが、なぜか奇妙な出来事に遭遇してしまう。本作はノンフィクション作家の著者…
ページ上部へ戻る