御坊市民教養講座 はやぶさの川口氏が夢語る

 平成27年度第6回市民教養講座が12日、御坊市民文化会館大ホールで開かれた。今回が最終回。講師は、小惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトマネジャーを務めたJAXAシニアフェロー、川口淳一郎さん。講演では「『やれる』理由を見つける」をテーマに、宇宙開発事業の実際などを語った。
 ちょうど後継機「はやぶさ2」の地球スイングバイ成功、金星探査機「あかつき」の軌道投入成功、宇宙飛行士の油井亀美也さん無事帰還など宇宙に関する話題が続いており、川口さんは油井さんの映像など紹介しながら講演。はやぶさプロジェクトについても語り、「打ち上げの前年、アメリカが小惑星探査機を飛ばしたため『世界初』の称号を奪われ、トラウマになるほど悔しかったが、その後、小惑星イトカワでの任務を終え、離陸した時に『世界で初めて月以外の天体を離陸した探査機』の称号を得てやっとNASAの呪縛から解放された。そこから初めて自分たちのオリジナリティーを目指していけるようになった」と振り返った。3億㌔の彼方から1秒4000字の情報を送信できたというはやぶさの通信技術も紹介。「科学の研究では『成果を出せ』とよく求められる。ある種の研究は、確かにすぐには何の役にも立たない。しかしそれによって”知の水平線”を広げ、守るべき価値のある国をつくることができる。これが真の意味での安全保障。国民に揺るぎない自信と希望を与えることが重要。『夢で飯が食えるか』とよくいうが、むしろ『夢も見ないで飯が食えるか』と言いたい」と、実用性などを超えたところに科学の真の価値があることを訴えた。「『やれない理由』をつくるのは簡単。不可能に思えることでも、『やれる理由』を見つけて果敢に挑戦していかない限り、本当の成果は得られない」と力強く述べた。
 また、人材育成についても「現場で若い世代と共同作業に取り組んでいく中でこそ、伝えられるものがある。技術は、ドキュメントをまとめて教えられるものではない」と訴えた。

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