ルーティンにこだわらない

 バラエティー番組を観ていると、青森県南部町(なんぶちょう)の「南部太ねぎ」というネギが取り上げられていた。一般の長ネギの3倍ほどの太さで、約1・6倍の糖度が売り。大変おいしいと人気があるようだ。ただ、育てるのが非常に難しい。ネギは大きくなっていくと日の当たる部分が青くなる。やわらかくて甘い白い部分を多くするためには成長に合わせて土をかぶせていく作業が必要で、非常に手間暇がかかるという。この作業を機械で行うと葉が痛んだり折れたりし、うまく育てられない。鍬などを使っての丁寧な作業が敬遠され、数年前には生産者がほぼいなくなったそうだ。
 窮地を救ったのは地元の農業高校の生徒たち。土をかぶせていく作業とは逆に、30~40㌢ほどの穴を掘って植える「縦穴法」と呼ばれる栽培方法を発案した。穴を掘るのは簡単、あとはネギを植えるだけ。これで栽培の省力化や技術的な問題が一気に解消され、南部太ねぎは復活に向かっていると紹介されていた。
 最近、ラグビー日本代表・五郎丸歩選手の独特の動作が注目を集め、「ルーティン」という言葉がよく聞かれる。日本語にすると、「決まりきった仕事」「お決まりの所作」などとなる。スポーツの世界では、ここ一番で落ち着けるなどの効果があるといわれているが、目まぐるしく移り変わる社会ではルーティンにこだわらない方が好結果につながる場合が多い気がする。お決まりの作業ではなく新しい、逆転の発想が、特産品の危機を救ったように。
 「変化なくして進化なし」とよくいわれる。普段の生活や仕事では、ルーティンよりも変化、進化を求めていかなければいつか絶滅の危機が訪れると心に留めておきたいと思う。   (賀)

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