マイナンバー詐欺に注意
- 2015/12/8
- 日高春秋
来年1月からスタートするマイナンバー制度を前に、10月から郵送での番号通知が行われている。各地では返送が続出したり、誤配達などトラブルも起こっているようだが、筆者のもとには問題なく届いた。その名の通り、国民1人1人に番号が振り当てられる制度。巷では「副業が会社にばれるようになる」などの声も聞かれるが、実際実生活にどういった変化があるのかは、わかりにくいところ。地域の商工会が主催する事業所向けのセミナーでは従業員のナンバー管理の徹底など呼びかける一方、消費税の軽減税率分の還元を受けるためにレジでマイナンバーカードを掲示すればいいなどという案もあり、番号の重要性もどの程度なのか難しいところだ。
そんな一般への理解が広まっていない中だからこそ、そこを利用した詐欺も出ている。主な手口はマイナンバー通知が届いていない家庭を狙って「費用を支払えばすぐに届ける」「マイナンバーが漏洩しているので新たな番号を発行する」「マイナンバーを管理する」などと言って金銭を要求。また金銭だけでなく「導入に伴う調査」などとして個人情報を奪うケースも。兵庫県伊丹市では60代の女性がマイナンバーカードそのものをだまし取られたという事件も発生している。
十分な周知徹底が行われないまま通知が始まったことにも原因があると思うが、いずれにしても対策を立てるにこしたことはない。電話で行政関係者から口座の暗証番号や金銭などを要求されることはないので、不審な電話や訪問等には警戒するとともに、今後新たな手口も出てくる可能性もある。細心の注意が必要だ。(城)