熊野牛子牛共進会 阪口さんの「ひらり号」最優秀

 県内の生産者と各市町でつくる熊野牛産地化推進協議会主催の本年度子牛共進会が17日に田辺市の子牛市場で開催され、雌牛の部で御坊市名田町楠井、阪口牧場(阪口義弘代表)の2代目阪口弘さん(37)生産の「ひらり号」が最優秀賞に選ばれた。JA職員の阪口さんが仕事で出ている時間は、昨年結婚した妻・砂智さん(32)がサポート。夫婦二人三脚でつかんだ最高賞に弘さんは「妻のおかげ」とねぎらった。
 共進会は、生産農家が飼育管理技術を競うコンテストで、生産技術向上や畜産振興を目的に毎年11月に開催。合わせて初市も行われている。生後7~10カ月が対象で、ことしは去勢牛の部46頭、雌牛の部33頭の計79頭が出品。体高や体長、胸囲など各部の測定値と毛の質、体のバランスなどを10人の審査員が総合的に評価し、両部とも最優秀賞、優秀賞1席、優秀賞2席を選んだ。
 「ひらり号」は生後300日で体重300㌔。一般的に雌牛は日数×0・9㌔といわれる中、ひらり号はすくすく生育。丸みのある雌牛らしさもあり、講評では「発育良好で非常に体積感のある牛。体上線が平直でしっかりしており、体のバランスがよく、輪郭の鮮明さも持ち合わせている」と高い評価を受けた。
 阪口牧場は義弘さんが始め、15年前から弘さんが主となって熊野牛を生産している。種付けから出産、競りに出す生後10カ月程度まで育てる「繁殖経営」。競りで落とされた子牛は「肥育経営」の生産者が約2年間飼育して食肉となる。ひらり号も奈良県の肥育経営の生産者に競り落とされた。阪口牧場では親牛が32頭、子牛が15頭ほどあり、競りで落とされる立派な子牛に育てるために1頭1頭をしっかり観察しながら飼育。生後3カ月ほどは放牧場で自由に走りまわらせ、干し草やトウモロコシを配合した飼料などで徐々に胃袋を大きくしながら、ロープにつないで立たせる運動などを実践。弘さんは昼間は勤めに出ているため、砂智さんが勉強を重ねながら世話している。砂智さんと結婚した昨年、去勢の部で久しぶりとなる2度目の優秀賞2席、そしてことしは初の最優秀賞で、弘さんは「結婚して2年連続受賞できたのは、妻が世話してくれたおかげ」と感謝し、2人とも「もっと勉強していい子牛を飼育できるよう頑張りたい。いつかは5年に1度開催される全国共進会に出品できるようになりたい」と声をそろえた。

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