地方の魅力を都心部へ

 地方の人口が減り続けている。総務省が公表した人口推計によると、昨年10月時点で全国47都道府県のうち40道府県の人口が1年前と比べて減ったという。和歌山県も例外でなく、減少率は秋田、青森、高知、山形に次いで全国5番目。逆に増えた7都県は東京、沖縄、埼玉、神奈川、愛知、福岡、千葉。沖縄は出生率が高いことが要因だが、残り6都県は首都圏などの都心部で、地方から都会へ移り住む流れになっている
 ▼半面、その逆の都会から田舎への移住を希望する人も増えている。地方移住に関する情報提供や相談を行っている「ふるさと回帰支援センター」(東京)の相談件数などは年々増加し、昨年は1万2430件で平成20年の2742件から4・5倍にも増加した。経済の豊かさではなく、自然や地域との触れ合いを大切にする生き方を求める人が多くなっていることが要因という
 ▼田辺市龍神村で映像作家として活躍する中島英介さんも、東京からのIターン者の1人。東京に住んでいた頃は仕事中心で育児に関われていないことに悩み、移住を決断したという。龍神で3年間を過ごしてきて、「家族の絆が深まったし、都会ではなかった地域の人たちとの交流もできた」と話す。日常生活の買い物について質問してみると、「上富田町か有田川町まで車で出かけることが多いが、東京でもスーパーに行く時は電車やバスを使っていた。それと比べればまだ楽」と笑顔をみせる
 ▼このような事例をみると、地方の良さを再認識する。日高地方も人口減少が課題だ。いくら自然豊かな田舎でも、そこに魅力がなければ人は集まらない。行政の助けも必要だが、都会にはない深い人情、豊かな自然を守ることが過疎対策の1つになるのではないか。   (雄)

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