ダ・ヴィンチの謎に迫る

 芸術の秋である。日高地方でも各地で文化展などが催されており、取材を通してさまざまな素晴らしい作品を見ることも多い。例えば洋画や日本画、彫刻、書など何でもいいが、その技法や歴史的背景などの専門知識があった方が、作品の持つ魅力を一層深く味わえる。ただ、知識がなくても個人的に芸術作品は見て、感じて、何か心を動かされるようなものがあれば、芸術の一端を堪能できたと言えるのではないかと思っている。芸術的センスは人それぞれで、どう感じるかも十人十色。敷居が高そうな分野でも、気軽な気持ちで鑑賞するのも芸術の秋ならではの楽しみ方ではないだろうか。
 先日、京都文化博物館で催されているイタリア画家レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452~1519年)と「アンギアーリの戦い」と題する展示会を見てきた。ダ・ヴィンチは「ヴェッキオ宮殿」にアンギアーリの戦いの大壁画を描いていたが、完成できず、その後別の画家の壁画装飾に覆われて現在に至るとされている。しかし、本当にダ・ヴィンチの大壁画はあったのか。展示会では、大壁画の存在を裏付けるように、本人が練習用に描いたデッサンや他の画家がアンギアーリの戦いの一部を模写した油絵を展示。いまでは見ることができない大壁画の存在が、時を超えて証明されているわけである。
 「謎の解明」という観点から三大巨匠の一人、ダ・ヴィンチの芸術に迫る企画展は、ど素人の筆者でも入り込みやすかった。特にダ・ヴィンチがこだわった戦闘場面での人や馬の躍動感あふれる筋肉の描写など、見ていると絵画に吸い込まれるような感覚になった。展示は今月23日まで。機会があればご高覧を。(吉)

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