トリプルスリー対決の陰で

 今季プロ野球では「トリプルスリー」を2選手が達成した。トリプルスリーとは打率3割、本塁打30本、盗塁30個以上の成績をいう。ソフトバンクの柳田悠岐選手(27)とヤクルトの山田哲人選手(23)が、この数字をクリア。昨季まで8人しかいない成績で、両選手とも素晴らしかったと思う。
 ただ、野球で「数字」というものは当てにならないともいわれる。確か、巨人の主砲、米大リーグ・ヤンキースの中心打者として大活躍した松井秀喜さんの著書にもそのようなことが記されていた。
 野球は、まず球場の規格がきっちりと統一されていない。試合ごとに投手も違うし、1打席ごと、1球ごとに打ち方を変えなければならないことも少なくない。とくに大リーグでは片方のフェンスだけ異様に高いなど不公平ともいえるような施設も存在。大概、記録を競うスポーツは同じ条件下でのプレーが原則だろうが、野球ではそうとは言い切れない。
 大リーグでは個人的な記録を口にすることはあまりないそうだ。野球はチームが勝つ、優勝するのが一番の目標ととらえる。日本の場合は、スポーツ紙を中心に逆の場面が目立ち、縁の下の力持ち的な選手はスポットライトが当たりにくく評価の対象にもなりにくい。
 無死二塁から二ゴロ(進塁打)を打ったり確実に犠牲バントを決めたりする選手は、チームの勝利には絶対に必要。過去に大砲を集めて失敗した球団をみれば明らかだろう。トリプルスリー対決で盛り上がった日本シリーズをテレビ観戦する中で、その陰でチームに貢献してきた選手は誰なのか。数字ばかりにとらわれずにそんなところも注目しながらだと巨人ファンの筆者にも楽しめる日本シリーズであった。     (賀)

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